プロポリス成分の脂肪細胞機能調節を解明した論文が掲載されました。

 「プロポリス」とは、ミツバチが樹木の特定部位から採取したものにミツバチ自身の分泌物などを混合して作られた樹脂状物質で、伝承的薬理作用として抗菌、抗炎症・鎮痛作用などが知られています。近年は研究が進展し、その健康機能が明らかにされつつあります。プロポリスは、サプリメント素材として人気のあるものです。プロポリスには、その起源となる植物があります。今回対象とした「ブラジル産プロポリス」については、その成分を考える上で大変重要な起源植物がすでに明らかにされております。
 私たちは、種々のブラジル産プロポリス成分のアディポネクチンの発現低下に対する抑制作用の検討とその分子メカニズムの解明を行いました。図11のようにブラジル産プロポリスには多様な成分が含まれています。私たちはアルテピリンC(C3)、C4の2種の成分のアディポネクチン発現低下抑制作用を明らかにしました。そして、その作用メカニズムが核内受容体であるPPARγリガンドとして作用する(C3化合物)、あるいはMAPキナーゼ経路の中でJNKの抑制(C4化合物)によることまで明らかにしています。PPARγリガンドとC3、JNKタンパク質とC4との相互作用はドッキングスタディからもその作用を示唆するデータを得ています(図12、図13)。この成果は、Biochim. Biophys. Acta 1810: 695-703 (2011)に掲載されました。
 この研究の関連事項3. ショウガ辛味成分による脂肪細胞機能の制御もご参照ください。
 本研究は中部大・津田研、京都大院・農、静岡県大・食品栄養、北里大・薬との共同研究にて行われました。ご関係の皆様に深謝いたします。

図12:アルテピリンC(C3)とPPARγとのドッキングポーズ
図11:研究に用いたブラジル産プロポリス成分 図13:C4とJNK1とのドッキングポーズ

 
※図をクリックすると拡大版が表示されます。