黒大豆種皮成分の血糖値上昇抑制とその機序を解明しました!

 黒大豆は、栄養成分としては黄大豆とほとんど変わりませんが、伝承的には薬効があるとされているものの、その効能を発現する活性本体、そしてその成分と機能性との関係は不明なままでした。黒大豆は、その種皮の色を構成する成分として、アントシアニンであるシアニジン-3-グルコシド(C3G)が含まれていることは知られていました。一方、種皮にはこのアントシアニン以外にカテキンの重合体であるプロシアニジン(PC)を豊富に含むと予測されていました。しかしその分離分析が困難であったことから、その解析は進んでいませんでした。ところが、最近になりその分析手法や単離が可能になり、構造的な知見も蓄積されてきたことから、黒大豆種皮の成分として健康機能との関連が注目されてまいりました。
 私たちは、黒大豆の機能性成分の解明と新たな生理機能の開発のため、黒大豆種皮成分の健康機能として、糖尿病予防・抑制作用とその機序解明と、この機能に関与する成分を明確にすることを目的としました。
 その結果、黒大豆種皮成分は、エネルギー代謝の鍵分子であるAMPキナーゼの活性化を介して、血糖値上昇を抑制し、インスリン感受性を高めることを明らかにしました。さらにこの機能に関与する成分は、C3Gのほか、PCの2-4量体が関与していることも明らかにしました(図18)。この研究成果により、黒大豆の活用が促進されることが期待されます。

 この内容は米国化学会 J. Agric. Food Chem.電子版に掲載されました。(J. Agric. Food Chem.61: 5558-5564, 2013)。

 なお、本研究は中部大・津田研、神戸大、フジッコ株式会社との共同研究にて行われました。ご関係の皆様に深謝いたします。


図17:黒大豆種皮成分の構造

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