2018.9. カシス(ブラックカラント)果実の機能研究に関する論文が掲載されました!

 当研究室では植物色素アントシアニンに関する機能研究を多様な面から進めています。さらにGLP-1分泌の促進作用を介する糖尿病予防・抑制作用を持つ食品由来因子とその機序解明に関する研究、エネルギー代謝の鍵分子であるAMPキナーゼ(AMPK)の活性化作用に関わる食品由来因子の研究を進めています。
 カシス(ブラックカラント)はニュージーランドや北欧など、比較的寒い地域に生育し、国内では青森県での栽培が有名です。リキュールやジャムなどで見かけることも多いと思いますが、その果実は、アントシアニンであるデルフィニジン 3−ルチノシド(D3R)を特徴的に豊富に含みます。私たちは以前D3RのGLP-1分泌刺激に関する論文を出していますが、ここではブラックカラント果実抽出物が2型糖尿病モデルマウスにおいて血糖値上昇を抑制し耐糖能を改善すること、この機序としてGLP-1分泌刺激(プログルカゴンのプロセッシング酵素の発現上昇が関わる)とAMPKの活性化が関与することを明らかにしました。本研究がブラックカラントの利用促進、高付加価値化の一助となれば幸いです。本研究内容はJ. Nutr. Sci. Vitaminol.に掲載されています。ご協力いただきましたJust the Berries PD Corporation、日本カシス協会に深謝申し上げます。

 

Blackcurrant extract ameliorates hyperglycemia in type 2 diabetic mice in association with increased basal secretion of glucagon-like peptide-1 and activation of AMP-activated protein kinase.
J. Nutr. Sci. Vitaminol. 64, 258-264, 2018.

<カシス(ブラックカラント)とD3RのGLP-1分泌刺激に関する当研究室の関連論文>
he anthocyanin delphinidin 3-rutinoside stimulates glucagon-like peptide-1 secretion in murine GLUTag Cell Line via the Ca2+/calmodulin-dependent kinase II Pathway.

PLoS One 10, e0126157, 2015.

Delphinidin 3-rutinoside-rich blackcurrant extract ameliorates glucose tolerance by increasing the release of glucagon-like peptide-1 secretion.
Food Sci Nutr. 5, 929-933, 2017.

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