9.ターメリックの黄色色素「クルクミン」はCaMKIIの活性化を介してGLP-1の分泌を促進する。

 「クルクミン」は、カレーに使用するスパイスのターメリック(ウコン)に含まれる成分で、黄色の色素として食品の着色に用いられています。カレーの黄色はクルクミンによるものです。
 ターメリック(ウコン)は漢方薬の素材としても利用されており、近年では、クルクミンの健康機能や薬理作用が数多く研究されています。
 最近新しい糖尿病治療薬としてインクレチン関連薬が注目されています。消化管から分泌されるホルモンであるGLP-1;(グルカゴン様ペプチド−1)は血糖値を下げるホルモンであるインスリンの分泌を促進させ、血糖値上昇を抑制します。
 私たちは、GLP-1の分泌を高める食品中の成分について研究した結果、「クルクミン」がGLP-1分泌を促進することを、マウス由来の消化管内分泌細胞を用いた実験で初めて見出しました。次にクルクミンと構造の似通った3種類の誘導体についても調べた結果、「クルクミン」が最も分泌を促進させることも確認しました(図18)。また、クルクミンによるGLP-1の分泌促進には、細胞内のカルシウム濃度の上昇と、カルシウム/カルモデュリン依存性キナーゼU(CaMKU)という酵素の活性化がクルクミンによるGLP-1の分泌促進作用に関与することを明らかにしました。
 本研究は、Biochem. Biophys. Res. Commun. 435 (2013) 165-70. に掲載されました。今後さらに他の食品由来成分についても検討していきます。この内容は、2013年5月24日中日新聞朝刊におきましても、記事として掲載していただきました「pdf」(中日新聞社の許可を得て掲載)。



図18:クルクミン誘導体のGLP-1分泌促進作用と構造活性相関

※図をクリックすると拡大版が表示されます。