12. クルクミンの機能研究

クルクミンに関する総説

 クルクミンはターメリックの黄色色素で多様な薬理作用が報告されています。ミネソタ大学のグループはこれらの作用に対して懐疑的な論文を出して、議論の的になりました。さらにこの論文に対する反論も掲載されています。このような状況の中で食品機能学、栄養生化学の立場からクルクミンの健康機能を吸収、代謝などを含めてどのように捉えて研究を進めるべきかをFood & Function (The Royal Society of Chemistry)より総説を依頼され、この度掲載されました(Food & Funct. 9: 705-714. 2018.)。
 さらにJ. Agric. Food Chem. (ACS)にViewpoint (Scientific Opinion)として、クルクミンに関する食品機能アプローチがどうあるべきかをまとめたものが掲載されます(J. Agric. Food Chem. 66: 1059-1060. 2018.)。ご参考になりましたら幸いです。  

 

Curcumin as a functional food-derived factor: degradation products, metabolites, bioactivity, and future perspectives. (Invited review)
Food Funct. 9: 705-714. 2018.

Curcumin: an effective or deceptive dietary factor? Challenges for functional food scientists (Viewpoint. Editor Invited)
J. Agric. Food Chem. 66: 1059-1060. 2018.

クルクミンの代謝・吸収に関する論文

 クルクミンは極めて水に溶けにくく生体内吸収性が低い化合物です。しかし共同研究先であるセラバリューズは高水分散性・高生体内吸収性のクルクミン製剤を開発しています。本研究は京都大・薬の掛谷先生をはじめとして、京都大・医、武蔵野大・薬、セラバリューズ、セラバイオファーマ、そして当研究室の合同研究グループにより行われました。クルクミングルクロニドの静脈投与により生体内でフリー体が増加し、anticancer agentとして作用することを突き止めたもので、この内容は代謝物の有効性を示すものとして重要な意義がある内容です。

Curcumin β-D-glucuronide plays an important role to keep high levels of free-form curcumin in the blood
Biol. Pharm. Bull. 40, 1515-1524. 2017.

クルクミンによる褐色脂肪細胞化誘導に関する論文

 前述のようにクルクミンは極めて水に溶けにくく生体内吸収性が低い化合物です。私たちは高水分散性・高生体内吸収性のクルクミン製剤により低用量(4.5 mg クルクミン/kg)でマウスの白色脂肪組織において褐色脂肪細胞化を誘導することを見出しました。一方通常のクルクミンではこのような作用は認められませんでした。さらに新たな作用機序としてクルクミンは、白色脂肪組織でのM2マクロファージ分極と局所的なノルエピネフリン産生が関わることを明らかにしました。この内容はMol. Nutr. Food Res.にアクセプトされました。本研究は株式会社セラバリューズとの共同研究です。

Highly dispersible and bioavailable curcumin but not native curcumin induces brown-like adipocyte formation in mice
Mol. Nutr. Food Res. 62: 1700731. 2018.

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