選択的スプライシングによる発現調節機構

 

 選択的スプライシングとは、1つの遺伝子からスプライシング様式の異なる複数のmRNAを生成する機構です。つまり、たった1つの遺伝子から機能や局在性が異なる複数のタンパク質を合成することができる、合理的かつ効率的な転写後調節機構です。植物でも多くの遺伝子が選択的スプライシングを受けることが報告されていますが、それがどのように行われているのかは明らかになっていません。

動物ではセリン・アルギニンリッチ(SR)タンパク質がスプライシングの制御に重要な役割を担っていることが明らかになっています。植物シロイヌナズナのゲノム中には、20種類ものSRタンパク質がコードされていますが、その機能や特性は明らかではありません。特に興味深いことに、これらのSRタンパク質のいくつかは強光や低温などの環境ストレスで発現誘導されること、および多くの環境ストレス応答・防御に関与する遺伝子が選択的スプライシングにより複数の転写産物を生成していることが明らかになっています。これらの事実から、選択的スプライシングを介したストレス応答機構の存在が示唆されています。

 そこで当研究室では、SRタンパク質による環境ストレスに応答した選択的スプライシング制御機構について研究を行っています。