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植物の形・色・香を司る分子機構と分子育種の基盤的研究
平成17年度 報告書発刊にあたって

 本学は、平成17年度、文部科学省私立大学学術研究高度化推進事業学術フロンティア推進事業の一つとして、植物バイオ研究センターを設立し、「植物の形・色・香を司る分子機構と分子育種の基盤的研究」を発足させた。本研究計画は、5年間で2億3千8百万円の研究経費を投入して実施される。本学との共同研究組織は、独立行政法人理化学研究所・植物科学研究センター(チームリーダー 榊原 均)、国立大学法人岐阜大学・教育学部(助教授 松本省吾)、インドネシア・ガジャマダ大学・生物学部(助教授 エンダン セミアルティ)である。

 

 地球上には驚くほど多種多様な形をもつ植物が生育している。これまでにシロイヌナズナ、イネやキンギョソウなどのモデル植物を使った多くの分子生物学的研究が行われてきた。それらの研究から、植物の成長と発生・分化のしかたには、基本的には、ほとんどの植物において共通のメカニズムが関わっていることがわかってきた。従って、モデル植物を用いた基礎的研究をさらに押し進めることは大変重要であると考えられる。さらに、今後は、モデル植物で解明された遺伝子群のどのような変化が、多様な植物種の形態や性質の違いを生み出しているのかを明らかにできる可能性がある。本研究プロジェクトでは、これまでの私達の、植物の増殖と分化に関わる遺伝子機能解析の成果を基礎として、植物の形を中心として、色模様や香を含む植物の特性全体の分子的理解をめざしている。さらに、ランやバラなどの園芸種にも応用していくことを目標としている。本年度は、シロイヌナズナを用いた茎葉形成と葉の器官分化のメカニズムの解明、新規遺伝子の単離、マイクロアレイを用いた発現解析を行うとともに、香りの分析、ランやバラなどの園芸種の形質転換法の開発を行った。マイクロアレイの解析では、小林らが医療の分野で開発した新規情報処理システムを用いたクラスタリング解析により、町田らが単離解析を進めてきた葉の分化に関わる転写因子の下流遺伝子の探索をスタートした。本研究組織で購入したDNAマイクロアレイシステムを用いて、研究者の連携を重視しつつ、植物のゲノムワイドな研究の新展開をめざして、土台つくりができた段階である。また、香りの分析システムの立ち上げ、ランやバラなどの園芸種の形質転換法の開発の基盤ができあがった。初年度ではあるが、すでに、成果が得られつつある。各人の研究業績をみていただきたい。
  本年度は発足にあたり、ホームページの立ち上げにも努力した。特に、国外の研究者が研究組織に加わったこともあり、広く世界に発信していくためにも、英語版のHPを日本語版と同時に立ち上げた。また、トピックスコーナーをつくり、セミナー開催や、国外のミーティング参加報告等も行った。今後もホットな話題、得られた成果を、研究組織内のみならず、広く外部にも発信したいと考えている。
  本研究センター主催のセミナーは、「植物バイオセミナー」として企画することとし、今年度は2回行った。第一回には、近藤孝男教授(名古屋大学大学院理学研究科生命理学専攻)に「Kai蛋白質が刻むシアノバクテリアの生物時計」、松岡信教授(名古屋大学・生物機能開発利用研究センター)には、「イネの収量増加遺伝子の単離とその育種的利用」)と題して講演していただいた。ともに、2005年にScience誌に掲載された研究を中心としたお話であり、世界のトップレベルの研究者の話を聞く貴重な機会となった。また、第二回には、林野庁花岡千草氏に「環境問題と森林政策」と題して、日本の森林行政のみならず、世界の中における日本の森林環境の役割についてお話していただいた。グローバルな視点で森林と環境を学ぶことができたことは大変貴重であった。二つのセミナーには、本学の応用生物学部、応用生物学研究科の学生を中心に、非常に多数の参加があり、研究と教育の両面から有意義であったと思われる。今後も植物科学を中心とした広い視野でセミナーを企画し、本プロジェクト研究に還元したいと考えている。
  植物バイオ研究センター発足の年として、本年度は、駆足のように、1年が経過した。予定していた機器設備も早期に購入することができ、研究支援者の参加も徐々に充実してきた。これらすべては、多くの関係者の暖かいご支援によるものであり、心から感謝しています。

 
植物バイオ研究センター長
応用生物学部・応用生物化学科 教授
町田千代子
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